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- 自分は農地を持っており、正直持て余している。
この土地を活用して、サービス付き高齢者向け住宅にし、地域の高齢者の方への貢献もしたいが、可能か? - 農地転用の許可が必要になりますが、開業できる可能性はあります。
ただ、農用地区域内農地等、場所により、農地転用自体ができない場合がありますので、事前に管轄の農業委員会に確認をする必要があります。一般的に農地は許可を受けたり届出をしない限り、農地以外の用途には転用できないこととなっており、その開発行為には大きな制限がかかっています。
農地の転用は、転用をする必要性が認められないと原則としては許可されませんので、必要性を立証する資料や事業計画書等が重要になってきます。
そのため、農地転用に精通している行政書士に依頼をしないと、許可されるものも不許可になってしまうことがありえますので、ご注意ください。なお、農地から他の用途に転用することによって、固定資産税の額が上がりますし、その用途も無制限ではありませんので、念頭に置く必要があります。
- 私は現在医療法人の理事長として、病院を経営しています。
今後サービス付き高齢者向け住宅事業に参入し、自らの持つ医療人材や設備を活用していきたいと思いますが、医療法人はこの事業への参入は可能でしょうか? - はい、医療法人は、定款に記載することによって、付帯事業としてサービス付き高齢者向け住宅の事業を行なうことができます。
なお、医療法人は、定款変更認可申請など、医療法人独特の手続きが必要となります。
また、株式会社等の一般的な営利法人に比べて、自由度がなく、医療法による制約等を十分に配慮した上で事業計画を立てる必要があります。改正高齢者住まい法は、サービス付き高齢者向け住宅事業に参入する事業者の業種を広く想定しており、医療法人についても想定されています。
医療法人はこれまでも高度な医療技術をもって高齢者の支援に努めてきた実績があるため、高齢者の安否確認や健康チェックなどのサービス面について強みを発揮することができるでしょう。
しかしながら、ハード面の整備や、賃貸経営をしていくうえでの不動産業としてのノウハウは一般的には弱みとなる部分でもあります。
安心をして運営をしていくためにも、手続きはぜひ当事務所にお任せください。
- 極力お金を掛けたくないので、サ高住の登録申請や補助金の手続きは自分で出来ないか?
- 手間と時間を惜しまなければ可能です。ただし、関係法令や手引き等を読み込んで、関係官庁と頻繁に確認・相談をする等、かなりの労力を覚悟する必要はあります。
これは考え方次第だとは思いますが、餅は餅屋で、サ高住の手続きを得意をする外部業者に任せた方が、自分の時間単価や精神的な負担を考慮すれば、結果的には外注した方が安上がりになるケースが殆どです。
不慣れな手続きであるため、一度で受理されることはまず難しく、何度も確認ややり直し、再申請した揚句、疲れ果てて、当事務所にご依頼いただく方もいらっしゃいます。
この様なケースでは、例外なく、最初から専門家に依頼しておけば良かったと皆さんおっしゃいます。手間暇や労力、時間、確実性を考慮した上で、それぞれの置かれた状況は異なると思いますので、ご自身の環境に応じて、どちらが良いか、ご検討をいただくのが宜しいかと思います。
- サ高住の運営を検討しているが、建物は新設するのと、既存の中古物件を改修して利用するのでは、どちらが良いか?
- これは、事業者の考え方や既存物件の状態等にもよるので、一概にどちらが良いと言うのは難しい問題です。
しかし、考慮すべき点として、古い物件の場合は、耐震強度の問題や、建物の用途変更が困難なケースがあります。また、入居者を募集する際、近隣にサ高住を運営する事業者が複数あれば、それらの事業者との競争原理が働くことも視野に入れる必要があります。
入居者からしたら、入居費用と施設の快適さやサービスの充実度等を天秤にかけて、より良い所に住みたいと考えるのは自然なことです。
そのため、事業をする場所の近隣での競合調査をした上で、掛けられる費用と資金の回収計画を綿密に練ったうえで、どちらが良いのかを慎重に決定する必要があります。
なお、補助金だけを見た場合は、新築の場合は建設工事費(増築を行う部分を含む)の10分の1以内の額【ただし、住宅は100万円×戸数、生活支援施設は1000万円×施設数となり、その総額の上限は1億円】が補助されるのに対して、改修工事の場合は改修工事費の3分の1以内の額(上限は、住宅100万円×戸数、生活支援施設1000万円×施設数。
またエレベーター設置工事は3分の2以内の額(上限は1000万円×エレベーター基数))が補助されます。さらに改修を目的とした住宅等の取得についても、その取得に要する費用(用地費は除く)の10分の1以内の額が補助されますので、改修を前提とした場合の方が補助率は高くなっています。